疾患リスト閉じる
- 双胎
- 胸部
- 血液
- 心臓
- 尿路
- 脊椎
胎児疾患HP ・胎児頻脈性不整脈(一般)・胎児頻脈性不整脈(臨床試験)・CDH・TTTS
最終更新日:2021年03月11日
胎盤が一つの一絨毛膜双胎では、二人の胎児をつなぐ吻合血管が存在します。その血管を通じて胎児間の血液の流れのバランスが崩れた状況を、双胎間輸血症候群(Twin-twin transfusion syndrome、以下TTTS)と言います。
TTTSが妊娠26週未満に発症した場合は、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(Fetoscopic Laser Photocoagulation、以下レーザー手術)が行われています。詳しくはTTTSの項をご参照下さい。
レーザー手術は妊娠26週になる前のTTTSに行われています。TTTSの基準を満たすけれども妊娠26週を超えた場合は、我が国ではレーザー手術を行っていないのが現状です。レーザー治療を行わない場合は、早めに分娩として新生児管理を行うか、羊水除去などの治療を行って妊娠期間を延長する方法がとられています。しかし、妊娠26週以降であってもTTTSを発症した場合には通常よりも予後が悪くなるため、レーザー治療を行うことで母体内において胎児の状態を改善させることが望ましいのではないかという意見が出ています。
ヨーロッパでは妊娠26週から29週までのTTTSに対してレーザー手術を行い,26週未満の場合と同じ効果があると報告しています。そのため、我が国でも妊娠26から27週(28週未満)のTTTSの患者さんに対して治療を行い、その有効性や安全性を検討する臨床試験が行われています。
Middeldorp JM,Lopriore E,Sueters M et al. Twin-to-twin transfusion syndrome after 26 weeks of gestation: is there a role for fetoscopic laser surgery? BJOG 2007;114:694–698.
徳山中央病院 産婦人科 中田雅彦
大阪府立母子保健総合医療センター 石井 桂介 0725-56-1220