最終更新日:2021年03月15日

胎児頻脈性不整脈に対する経胎盤的抗不整脈薬投与に関する臨床試験(症例募集終了)

臨床試験の目的は?表示

近年、胎児頻脈性不整脈に対する胎児治療の有効性が報告されていますが、まだ治療方法としては確立されてはいません。この臨床試験は、胎児治療の有効性、安全性を評価することを目的としています。

臨床試験の対象基準は?表示

1.胎児心拍数180以上が持続するもので以下と診断されるもの
(1)心房粗動
(2)上室性頻拍
2.妊娠22週以降、37週未満
3.単胎
4.臨床試験参加について患者本人から文書で同意が得られている

臨床試験の除外基準は?表示

1.母体が精神疾患を合併しており、臨床研究への参加が困難である
2.胎児治療を行う事が、母体に対して重篤な危険を引き起こすと考えられる場合(不整脈を抑える薬が使用できないなど)
3.それ以外に主治医が不適格と判断した症例(胎児の合併異常など)

臨床試験での治療の流れは?表示

「臨床試験治療プロトコール」に従い、母体に不整脈を抑える薬を投与して胎児の不整脈を止める治療をおこないます。胎児の心拍が正常のリズムに戻るか、180以下になれば、妊娠の継続ができ、よりよい状態で出産が可能となります。生まれた後も不整脈が再発しないか注意しながら、3歳まで成長をみていきます。
健康な母体へ薬剤を投与するため副作用の出現には十分な注意が必要です。この臨床試験では、安全性を保つために安全性評価委員会(さまざまな領域の専門家から構成)を定期的に開催しています。

研究期間および目標症例数は?表示

研究期間:平成22年10月より平成33年3月まで
目標症例数:50 例

症例登録期間:平成22年10月より平成29年12月まで

臨床試験の実施施設は?表示

現在、参加施設を拡大中ですが、平成28年12月10日の時点での症例登録が可能な施設は以下の通りです(登録順に表記)。

・国立循環器病研究センター <この臨床試験のデータセンター>
・久留米大学
・大阪府立母子保健総合医療センター
・国立成育医療研究センター
・神奈川県立こども医療センター
・筑波大学
・東邦大学医療センター大森病院
・北海道大学
・兵庫県立こども病院
・長野県立こども病院
・静岡県立こども病院
・神戸市立医療センター中央市民病院
・三重大学
・岡山医療センター
・大阪大学

問い合わせ先は?表示

(事務局)
国立循環器病研究センター 周産期・婦人科 三好剛一

〒565-8565 大阪府吹田市藤白台5-7-1

Tel: 06-6833-5012
FAX: 06-6872-6371

Mail: taijihin@ml.ncvc.go.jp

参考文献、その他表示

(1) 胎児治療の安全性を論述した論文、著書

Ulrich Gembruch ”fetal tachyarrythmia” Fetal Cardiology Embryology, genetics, Physioloosy, Echocardiographic Evaluation, Diagnosis and Perinatal Management od Cardiac Disease. Yagel et.al. London New York Taylar and Francis 2005

(2) 胎児治療の内容、有効性を論述した論文

1.M Krapp, T Kohl, JM Simpson, Review of diagnosis, treatment and outcome of fetal atrial flutter compared with supraventricular tachycardia Heart 2003: 89; 913-917

2.Fouron JC, Fournier A, Lamarche J et.al. Management of fetal tachycarrhythmia based on superior vena cava/aorta Doppler flow recordings. Heart 2003: 89; 1211-6

(3) その他の参考となる論文

1.Larmay HJ, Strasburger JF, Differential Diagnosis and Management of the Fetus and Newborn with an Irregular or Abnormal Heart Rate. Pediat.Clin N Am 2004 51 1033-51

2.Jaeggi E, Nii M, Fetal Brady-and Tachyarrhythmias: New and Accepted Diagnostic and Treatment Methods. Seminers in Fetal Neonatal Medicine.2005:10(6):504-14

3.Ueda K, Ikeda T, Maeno Y, et al., Impact of the Intrauterine Treatment to the ClinicalCourse of Fetal Tachycardia. Retrospective Analysis from National Survey in Japan (submitting)

4.インタビューフォーム
1) 医薬品インタビューフォーム(改訂第6 版)ジゴキシン2009;23
2) 医薬品インタビューフォーム(新様式第4 版)ソタコール2008;32
3)医薬品インタビューフォーム(改訂第7 版)タンボコール2009;27

5.フレカイニド生殖試験についての参考文献
1) 餅田久利 酢酸フレカイニドの生殖試験(第1報)ラットにおける妊娠前および妊娠初期投与試験基礎と臨床 23巻 5号 1989 p1785-95
2)西村修 酢酸フレカイニドの生殖試験(第2報)ラットにおける胎仔の期間形成期投与試験基礎と臨床 23巻 5号 1989 p1797-814
3)大角勇 酢酸フレカイニドの生殖試験(第3報)ウサギにおける胎仔の期間形成期投与試験基礎と臨床 23巻 5号 1989 p1815-22
4)松原孝雄 酢酸フレカイニドの生殖試験(第4報)ラットにおける周産期および授乳期投与試験基礎と臨床 23巻 5号 1989 p1823-35