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胎児疾患HP ・胎児頻脈性不整脈(一般)・胎児頻脈性不整脈(臨床試験)・CDH・TTTS
最終更新日:2020年11月13日
TRAP sequenceにおいて胎児治療が必要であるのは、一般的にはポンプ児に心不全徴候や羊水過多が認められる場合、無心体児がポンプ児にくらべ著しく大きい場合などとされています。一方で、低侵襲な治療が可能であればすべてのTRAP sequenceで治療をすべきとする意見もあります。
TRAP sequenceに対する胎児治療としてさまざまな方法が報告されてきましたが、ポンプ児から無心体に流れる血流を遮断する治療法が主流です。血流遮断の方法は大きく分けて2つに分類されます。1つは臍帯の血流を遮断する方法、もう1つは無心体内の血流を遮断する方法です。ラジオ波を用いた無心体内血流遮断術は負担が少なく手技も比較的簡便なため我が国で主流となり良い治療成績を挙げ、2019年3月より保険適応となりました。
ラジオ波焼灼術の適応は、妊娠15週0日から27週6日までの無心体双胎(acardiac twin)のうち臍帯動脈から無心体への逆行性血流を認めるTRAP sequenceの症例で、無心体とポンプ児の腹部周囲長の比が1.0以上の場合です。
2014年Chaveevaらの報告によるとラジオ波焼灼術が行われた108例の生存率は80.8%でした。我が国におけるラジオ波焼灼術後の生存率は85-88%です。